Merveille~フランスの風~

フランス風をぶいぶい吹かせてゆきます。

ワインの湧く泉 その2

ロワール地方の小さな村、
オビニエ・スー・レイヨン(Aubigné sur Layon)

村の中心、教会の前には現代アートのオブジェが。

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国際的に有名なイタリア人アーティストの作品で、
制作前にアーティスト自らこの村を訪れ、3日滞在して
この作品のインスピレーションを得たとか。

8月最後の日曜日は、村の夏祭り。

午前11時の、太陽の光が差し込む中、
この天球を開くセレモニーが行われます。

天球の内側は金メッキされ、
そこに黄金色の甘口白ワインが注がれ、
あたりは眩い光に溢れる・・・

このお祭は最近出来たものだけど、ただの思いつきではなく。

村には中世から、病気を治す神秘の泉があったのです!!

今は無きその泉は、教会内部のフレスコが描かれています。

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しかも近年になって、この泉の絵の下に、昔の本当にあった泉の
水源が発見される、という出来すぎたお話。

鮮やかな色彩のトロンプ・ルイユ(だまし絵)
このフレスコ画の修復に、日本が関わっています。

オビニエ・スー・レイヨンの姉妹都市(村?地区?)、
横浜市都筑区が ぽんっ と100万円寄付してくれた
おかげで修復できた、らしいです。
日本人として、貢献できたことは誇らしいのですが、うん、
たぶん、バブル期だなぁ・・・(苦笑

さらに奇妙な偶然は続きます。

このフレスコ画を描いたのはイタリア人、
天球のオブジェも、3人の候補から偶然選ばれたイタリア人。

今、村は観光地として、ワインと音楽に力を入れています。
夏祭には、この小さい村で200以上のコンサートが開かれるとか。

音楽も、実は昔から村で大切にされてきた、という伝統が。

↓教会の天井。左上に、黒い丸が見えるでしょうか?
これ、穴なんですが、この穴のおかげで
教会はコンサートホール並みに音響効果抜群だとか。

昔の人の知恵って、スゴイ・・・。

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この他、ルイ14世の愛妾がこの村の出身だったり、
フランス革命期の激動だったり、歴史的に見て、
この村、かなり魅力的。

ああ、8月最後の日曜日、ここの祭りに行きたいなぁ。
(残念ながらスタージュ中で行けないのです)

無料コンサートだけでなく、ワインの試飲や
地元産の美味が楽しめるコーナーもあり、
一日楽しめるそうです。

今回のグループ学習の結論:

歴史というのは人が作ったもの、作り変えたものであり、
それはただ単に都合の良い改竄ではなく、
その土地の人のアイデンティティに強く結びついている。

この結論は、私らの発表の後で教授が言ったことですが。
うーむ、深いです。
いろいろ文献調べて、現地を訪ねて、
大変だった分、中身の濃い勉強が出来ました!

前期の大教室での講義やマークシートの試験のような
詰込み学習に不満たらたらだったのですが、
ようやく大学院に入って勉強してる、と思えた1年のラスト。

クラスの子も、みんな勉強が嫌いなわけじゃなくて、
こういう課題だと、かなりレベルの高いプレゼンをしている。
なのに25人中10人が追試、だなんて、
学校側のカリキュラムや教え方に問題があるとしか思えない。

この講義の教授も私たちの意見に賛同して、
発表に対して、全員に大盤振る舞いな高得点を出すことを
約束してくれた!やっほう!がんばった甲斐がありました。

久しぶりに、勉強するって楽しいなぁ、と。
私はこういうことがしたくてフランスに来たんだ、と
原点に戻った気がしました。


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