Merveille~フランスの風~

フランス風をぶいぶい吹かせてゆきます。

ワインの湧く泉?歴史ミステリーを追え!

年に一度しか開かない、不思議なオブジェ。
周りに集う村人。ワインをピペットで振舞う謎の儀式。。。

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ロワール地方、アンジェとソーミュールの間にある
コトー・デュ・レイヨン地区。

甘口の白ワインで有名なこの地区に、

なんとワインが湧く泉がある、との情報をゲット!

さっそく取材に馳せ参じました!!

>アナタ、某クイズ番組のミステリーハンターですか?

フランス文化史のグループワークで

「各グループでひとつ記念建造物を選んで、
フランス文化史の文脈でその建造物を分析せよ」

という大変興味深い課題が出たのです。

期末試験前だし、時間ないから楽に済ませたいなぁと
成績良い子たちのグループにちゃっかり入ったのが
完全に裏目に出て、現地に取材に行こう!ってことになり。

さすがに勉強好きな子達は、やる気が違う。
いや、正直、試験前だし、疲れたよ・・・

しかし、その追求心のおかげで、
ある村の歴史ミステリーに迫ることが出来ました。

その村の名は、

オビニエ・スー・レイヨン(Aubigné sur Layon)

人口たったの360人。市役所だって、こんな小さい。

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この村は以前、オビニエ・スー・ブリヨンという名前だったのを、
村人の求めにより1994年にスー・レイヨンと改名。

しかし、村の改名は簡単なことではありませんでした。

村の名前を変えると、地図や標識や、
いろんなものを変えなきゃいけない、つまりお金がかかる。

歴史的にはスー・レイヨンが正しい、愛着がある、
という村人の訴えに対し、

県会議員は、ある無茶な条件を出します。

「スー・レイヨン(レイヨン川の、という意味)に変えたいというが、

レイヨン川は村の外を流れている。

もしレイヨン川が村の真ん中を流れるなら、

名前を変えることを許可しましょう」


3回申し出て、3回とも同じように退けられた村人たちは、

ある時、よいアイディアを思いつくのです。

そして県議に、

「今度あなたが村を訪れた時は、レイヨンが村の真ん中の

教会の前に流れていることでしょう」

と高らかに宣言したのです。

・・・さて、もうオチが読めましたね(笑

そうです、その、教会の前に流れるレイヨン、とは
ワインのコトー・デュ・レイヨン。


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夏の終わりの村祭りで、教会の前の泉(噴水)から、
ワインが流れるのを見た県議は、村人の情熱に負けて
村の名前を変えることをついに許可したのだとか。

めでたし、めでたし。

というのが
オフィシャルかつ観光向けなエピソード。

実は、夏祭りは村の改名を記念して開催されたのが始まり。

改名前に県議にOKを出させたのは、
私たちに村を案内してくれたB氏いわく、
「ワインカーヴでのネゴシエイション」の結果だとか。

(つーか、呑ませたんだね・・・。)

この現代アートの噴水が出来たのは2008年。

ん?なんか混乱してきたぞ?

というわけで、次回はさらに謎を追及、

教会の中のフレスコ画と、日本とのかかわりにも注目!

って、ほんとに某クイズ番組みたいになってきた。