第2日目 出発&悪天候・・・
朝9時、フレデリックさんとヴェロニカさんと、出発。
お二人はすでにフランス国内の巡礼路を1ヶ月かけて歩いてきている。
今日一日歩いたら、明日はまたこのサン・ジャン・ピエ・ド・ポーに戻ってきて、帰路に着く。
つまり今日は私にとっては初日、彼らにとっては最終日なのだ。
拍子抜けするほどあっさりと宿を後にして、巡礼開始。
今夜の宿、Orissonまでは約9Kmの道のり。
距離的には短いが、高低差700m。
濃い霧に覆われた街を抜け、すぐに急な上り坂が始まる。
雨が降り出す。
フレデリックさん(男性)が赤いビニール袋をレインコート代わりに羽織り、「おお、なんとエレガント!」なんて言って笑いをとったり。
放牧されている牛たちのカウベルが濃い霧の向こうから聞こえるだけで、
ほんの20m先も見えない。
ここに独りだったら私は泣いていただろう。
ひたすら、前を行くフレデリックとヴェロニカの後を追う。
ヴェロニカさんも独りでの巡礼。
だがここまで、一日たりとも一人ぼっちだったことは無い、必ずだれかともに歩く人が見つかるものだと私を勇気付けてくれた。
あまりの雨に、Unttoの宿で雨宿り。
暖かいカフェオレをいただく。無料だった。生き返る。
フレデリックさんは今日中にRoncesvalles(ロンセルバイェス)まで行くということで、先を急ぐためここでお別れ。
ヴェロニカさんと二人、急勾配の道を歩く。
雨、霧、雷が鳴り響き、お互いに無言でただ歩く。
Orissonの宿に着いたのは昼過ぎ。
そこでダリアを待ち構えていた新たな試練とは・・・(続く)