Merveille~フランスの風~

フランス風をぶいぶい吹かせてゆきます。

生パスタは恋の味!ナントの美味しいレストラン番外編

もはややけっぱちのようなタイトルでお届けする ナントの美味しいレストラン特集、 最終回にして番外編。

Les Tables de Nantesにも載っている名店!

ナントに店を構えて30年、イタリア人家族経営のパスタ屋、 その名もLa Pasta ラ・パスタのご紹介です。

 

2013年秋のある日、 あるフランス男子からこんなメールが届きました。

「同僚が教えてくれた生パスタの美味しいイタリアンに 行ってみたいんだけど、今度の水曜は空いてる?」

メール末尾にはLa Pastaの店名とURLが。

あら、素敵なデートのお誘いじゃないですか、と思ったら。

あ。そのお店、私、すでに行ったことあるし・・・

"同僚が教えてくれた生パスタの美味しいイタリアン”なんて レア情報っぽい誘い文句がむしろマイナス要素・・・!

さらにURLをクリックすると、リンク切れ。

えっと、この男性は、確かSEだかプログラマーだか、 情報処理関係のお仕事をされている方のはずよね。 ・・・

仕事できなさそー・・・(痛たたた

 

しかたないのでお店の名前でググってみると、 水曜の夜、定休日なんですけど・・・

たった一通のメールで、ここまで減点要素を盛り込むのは むしろ難しいんじゃなかろうか。 しかし、当時私は、 別の男に振られて荒んでいたので(激痛) とりあえず断らなかった。

結局、前日の時点で彼は水曜定休に気付き、 金曜の夜に会う事になりました。

待ち合わせはお店の前。

見よ、この店構え。

 

ちーん・・・・ 昨日ご紹介したお店と大違いの安っぽさです。

しかもこのラ・パスタと書かれた電飾の蛍光灯が、

わざとか切れかかっているのか微妙な間隔で点滅するので

夜にお店の前で待ち合わせて待たされた日にゃ 目がチカチカ、

終いには頭が痛くなるのでご注意!

お店に入ると、すぐに満席になる盛況ぶり。

しかし、テーブルが小さめ、席の間隔が狭くて 天井が低いからお客のしゃべり声がこもってうるさい。

内装もシンプル、というかセンス無く。

まったくもって、デートには不向きです。

さて、席に着いたらまずはアペリティフ(食前酒)、

グラスワインはテーブルワインの赤・白・ロゼ 選択肢は3種類しかありません。

ワイン好き、それもこっくりした赤が大好物のダリア、

せっかくイタリアンだし二人だし、

このお店ならではの イタリアワインをボトル注文できないだろうかと思いつき、

「ワインは赤と白とどちらが好き?」

とフランス男子に問うたらば、

「ロゼが好き!」

と可愛らしくお返事されて偏頭痛をおこしそうに。

つーか、お前は天然系の新人OLか?!

しかもあまりお酒は強くないとのこと(涙)なので

とりあえずグラスワインのロゼと赤を注文しました。

出てきたのは、当然、ごくふつーのテーブルワインでしたよ。

 

さて、肝心のお料理。 自家製生パスタのお店だし、迷わずパスタをチョイス。

うん。パスタは、たしかに美味しい。

でも、ソースがやや脂っこく、付合せの野菜がなく、

単調なお味に途中で飽きてくる・・・

が、がんばって食べました。完食。

と、彼を見ると、あと一口が入らなくて苦しい状態 に陥っている様子。

デザートのティラミスがちょっと気になっていたのに

「俺、もうデザートは無理」の一言であえなく断念。

まだ20代の男子が、私より小食って・・・!!

ところで、このお店、家庭的なサービスが有名なようです。

家庭的・・・つまり、雑でなれなれしいとも言えます。

店員のおばちゃんに、「Jeunes gens(若者たち!」と 何度も言われて、

苦笑するうちら。

私も彼も小柄で幼く見られがちだし、

この店の客層に比べたらたしかに若い方だったけど、

お金払ってるのは他のお客と同じわけなんだし、

あまりこういうこと店員に言われたくなかったな、なんて。

 

そんなこんなで、最初からお終いまで マイナス要素がてんこ盛りだったこのパスタ屋デート、 しかしその後すぐ(店を出て3歩くらいで) 良い雰囲気になり交際開始。現在も順調に交際しております。

やっぱ、何をどこで食べるか、なんて あんまり大事じゃないのかもしれません。

あと、フィーリングが合うか、なんて関係ないのかも。

なんせ赤か白か聞いてロゼですから。完全に合ってません。

恋に必要なのは、勢いとタイミング。

そう思い知ったLa Pastaでした。

いや、もう、おなかいっぱいです、いろんな意味で。