シェイクスピア五作品一気読み
日本に帰国しちゃった友人KSさんから譲り受けた数々の本、特にふだんは読まない古典を、失業期間の今こそガツンと読んでみた。
シェイクスピアが5冊~
こうして並べて写真に撮ると、すごい読書家みたい~☆
忘れないうちに感想を書いておこう。以下、読んだ順。
マクベス
有名な三魔女の予言とか、名台詞の数々に、「こ、これぞ古典・・・!」と感動する。オタク的に知っているつもりになっていることの原本に触れるのは大切ですね。
ところで、「大黄(だいおう)でもセンナでも、この国からイングランド兵どもを洗い流してしまう下剤はないのか?」ってマクベスのせりふに、
便秘に悩んだことがあるんだろうなぁこの人、って親近感が湧きました。
ふつう、出てこないよね、大黄(だいおう)でもセンナでも・・・って。
ジュリアス・シーザー
正義の人・ブルータスが正義のためにシーザーを暗殺。
どんな正しい理由があってもテロはダメだろ・・・。
それに、まじめでボクは正しい系キャラは虫が好かないこともあり、後半のブルータスがすごい勢いで転落していく悲劇に「ざまあみろ」と突き放した気持ちになってしまいました。
アントニーとクレオパトラ
ロミオとジュリエットの熟年不倫版。
いくらなんでもクレオパトラが頭も性格も悪すぎて、そりゃないよと。
宇宙の果てまで愛してる☆みたいなことを言い合いつつ、お互い相手の愛情を全然信じていない、これぞ中年不倫・・・。
ハムレット
有名な"To be, or not to be..." は、「生か、死か、それが疑問だ」と訳されていました。もっと終盤の山場でのせりふだと思っていたんですが、ハムレット氏がけっこう早い段階で言っていたのが軽い驚きでした。
いつ、どうやって父王の復讐をするのか、と悩みながらずるずると決定打に欠けるまま、最後にグダグダの惨劇が・・・。
オフィーリアの巻き添え食った感、はんぱない。
オセロ
この五作品中、一番面白かった。
主人公のオセロを破滅に追い込む部下イアーゴは、悪いことしたくてしている「純粋悪」みたいな近代的悪人で、読んでいてワクワクしました。
あと、夫婦はちゃんと話し合わなきゃダメですね(笑。
大時代で、仰々しくて、芝居臭くて(そりゃそうだ、16-17世紀の戯曲だもん)、登場人物の誰にも共感できないんだけど(苦笑)、人間の生々しい部分をこれでもかーこれでもかーとザクザク切り込んで、その切口を見せ付けるような怒涛の展開、1人の人間には長所も短所もあり、それは状況によって変化する、っていう人類普遍のめんどくささがいっぱい詰まっています、シェイクスピア。
いや、もちろん褒めてます。
登場人物みんな頭悪すぎで、ムダに大仰に悩みすぎに見えるんですが、
ふと、 「私が悩んでいる姿も、他の誰かから見たらこんな感じなのかも」 と
まじめに悩むのがばかばかしくなるという効果があります、シェークスピア。
あと、「人の話に耳を傾けるの、すごく大切ね」って事に気づきます、シェークスピア。 読んでよかった。