Merveille~フランスの風~

フランス風をぶいぶい吹かせてゆきます。

坂東玉三郎 初春特別舞踊公演@大阪松竹座

前々回の記事で書いた2018年の抱負をさっそく有言実行!

着物で歌舞伎鑑賞してきました。

しかも、ただの歌舞伎じゃござんせん。人間国宝でもあらせられる当代一の舞踊家・坂東玉三郎の初春特別舞踊公演ときたもんだ~

きゃー玉さまー大和屋ぁああああ!

 

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勉強会にて三味線のことを知らなすぎた己を知る

観劇前に、ときめき☆平成歌舞伎の事前勉強会に参加~。

今回は特別講師としてプロの三味線奏者の先生がいらして、目の前で三味線演奏を眺めつつの説明で、なんとも豪華な1時間半でした。

三味線が中国から沖縄を経て大阪の堺から広まったこと、長唄、竹本、常磐津、清元の違いなど、知らなかったことばかりで勉強になる~☆

これから鑑賞する各演目の説明や、今回の公演にまつわる裏話(今月は東京の歌舞伎座で勧進帳をやるから三味線奏者はフル稼働人手不足だそうですよ、など)
そして玉さまの美意識高すぎるエピソードとか(笑)
ここでしか聞けないお話いっぱいでした! 

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勉強会のおたのしみ。今回のお茶菓子は「昆布巻き」という名の、羊羹でつぶ餡を巻いたお正月らしい一品。戌年のお懐紙がかわいいです。

 

いよいよ劇場へ!獅子舞に頭かまれて、お正月気分

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開演前のロビーで獅子舞やってたんで、すかさず頭を噛んでもらいました。

席はもちろん一番お安い三階席でしたが、三階席の一列目、しかもど真ん中!

「こいつぁ春から縁起が良いや」です。

お年賀 口上(こうじょう)

 舞踊公演なので台詞がない(お声が聞けない)ということから、玉三郎さんと中村壱太郎(かずたろう)さんお2人が新年のご挨拶をしてくださいました。

お二人が並ぶと、身長差もあって、まるでダ・ヴィンチの『聖アンナと聖母子』みたい、永遠に年を取らない不思議な母娘のようです。

鈴を転がすようなお二人のお声、生で聞いているのにまったくリアリティーがありません(笑)。もはや生物として違う次元に存在しているかのよう。

たった10分足らずの口上が終わると、すぐに15分の休憩。

きっとお着替えがあるのでしょう。。。期待が高まります。


元禄花見踊(げんろくはなみおどり)

 京都の名所を唄に盛り込んだ、華やかな群舞。

ふはぁーーーっと夢心地で見てたら、あっという間に終わってしまった感じでした。

勉強会でせっかく長唄についての説明を聞いたのに、長唄の人たちを観察する余裕がまったくありませなんだ・・・。


秋の色種(あきのいろくさ)

「日本の四季を感じていただきたい」という玉さまの想いから、お次は秋です。

この演目の見所は、玉さま・壱太郎さんが並んでお琴を奏でるところ。

三味線のお師匠さんいわく、あまりにも音楽が流れるように美しいと逆に踊りにくいそうなのです。そこで玉さまが、このお琴を演奏する演出を考え出された、と。

「でも、普通の役者さんが、じゃあやりましょうって弾けるもんじゃないですよ、お琴は。このお2人はほんとにすごい」

そして

「このお二人の琴に合わせて演奏しなきゃいけないから、タテ(真ん中の三味線奏者。演奏をリードする指揮者の役割もある)は玉さまの手元をガン見です」とのこと。

ほんと、前のめりでしたよ、タテの方。ご苦労様です。


鷺娘(さぎむすめ)

口上によると、玉さまに「何が踊りたいかおっしゃいなさい」と言われて壱太郎さんが希望したのがこの鷺娘 だそうです。

「おっしゃいなさい」か・・・。このお二人ってどんな日常会話を交わしてらっしゃるんだろうか・・・(白目)。

 

人間に恋をした鷺が恋に狂い息絶えるという悲しい要素しかない物語。

途中に「2人で行ったお花見、楽しかったね」といった回想シーンがあるんですが、もしかするとこれは娘の妄想の産物かも、という解釈もできるそうです。怖い。

そんなかんじでシーンごとに衣装が引き抜き(舞台上で衣装が変わる)されます。そのたびに盛大な拍手。

最後、髪振り乱した鷺娘は舞台を縦横に駆けずり回り舞い踊る、雪が舞う、壮絶な場面は、これ絶対、踊る人にとったら最高に気持ちよいだろうなぁと思いました。

そして見せ場の背を反り返らせる場面、どうしても私らは「イナバウアー」を思い出してしまいます(苦笑)。

瀕死の鷺のしぐさがバレエの白鳥の湖みたいだなぁと思ったら、どうやら本当にバレエから影響を受けているようです(Wikipediaより)。

中村壱太郎さんは、ほんとに初々しい娘さんがぴったりで、悲しいラストにきゅーーーんときてしまいます。


傾城(けいせい)

花魁道中からはじまる豪華金襴な演目。

見所はなんといっても、「松竹が本気出した」素晴らしいお衣装。

踊り自体はゆったりしているから、玉三郎さんの技巧というより見た目の美しさを堪能する感じでした。眼福。

 

www.kabuki-bito.jp

午後2時から始まって、4つの演目、3回の幕間休憩を挟み、終わった頃には日が暮れておりました。

朝から着物きて、勉強会ー移動ー昼食ー観劇と、まさに一日仕事。

こういうゆったりした時間の使い方ほどの贅沢ってないなぁ。幸せ。

 

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