クマにあったらどうするか、考えてみた
結論から言うと、山でクマとばったり遭遇したら、目をそらさず、じっと立ちつくして腹の底から「うぉー」って声を出すといいらしいですよ。
って、そうとう度胸がないと無理そうだ。。。
良い本との出会いと、旅
先週末に金沢に一泊ひとり旅しました。
が、盛りだくさん過ぎて、どこから書いていこうか、ぼーっとしてるうちに1週間過ぎてしまいました。
なんせ青春18きっぷを使ったから、大阪~金沢往復でけっこう本が読めました。
一番のヒットは、金沢の21世紀美術館の売店で買ったこの1冊。
『クマにあったらどうするか』
クマにあったらどうするか: アイヌ民族最後の狩人 姉崎等 (ちくま文庫)
- 作者: 姉崎等,片山龍峯
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2014/03/10
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログ (7件) を見る
かわいい表紙イラストにだまされてはいけない、骨太い一冊でした。
アイヌ民族と大和民族の間に生まれ、生涯にわたり狩猟生活を送り、クマを山の師匠と仰ぐ。そんな人がいた。
その人に聞いてみた、「クマにあったら、どうしたらいいんですか?」
そこらへんの小説なんか目じゃないです。内容もだけど、このアイヌ狩人の姉崎さんの言葉が、強い。
もしクマに襲われて、押し倒された場合。
クマはすぐにはかじらずに、口を開けて顔を近づけてくるそうです。
そしたらすかさずこぶしを作り、腕をクマの口につっこんでベロをにぎって押したり引いたりするとクマは嫌がって逃げるとか。
いや、その状況でクマの口に手を突っ込むって・・・怖すぎる。
少しかじられても腕がもげるほどのかじりではないから、生きようとする信念があれば腕を突っ込めると思う。(p331)
倒されてかじられようとするとき諦めていれば食われるだけです。(p333)
17歳で自力で家を建てたり、戦後にソ連の捕虜になったり、とにかく経験値が桁外れで、本人はただ自分の観察と体験から得た知恵を飾らずに語っているだけなのかもしれないけど、一言一言が深く、哲学的なのです。
以下、どうすればクマと人間が共存していけるのかという質問に対して。
引用:そうですね、人間が言うことを聞いてくれる時代は来ないでしょうね。
(中略)規制をよしんば作っても、クマの方は守るかもしれないけど、人間の方は守らないでしょう。(p298)
なんか上手いこと言ってやろうとか、知識をひけらかそうとか、そういう衒いがまったく無くて気持ち良いです。
それでいて山とクマを知り尽くした自分に絶対の自信がある、信念があるから
「クマはすぐに人間を襲うような動物じゃない」
と言い切ります。
言葉の強さ、圧倒的。
おもしろいノンフィクションを探してるなら迷わずこの本をおススメですし、
小説派の方にもぜひ読んでいただきたい1冊です。
↓↓ランキング参加してます!ぽちっと応援のクリックお願いします↓↓