Merveille~フランスの風~

フランス風をぶいぶい吹かせてゆきます。

トラントムーとル・コルビュジェ

ナントの街の中心から離れ、ロワール河を渡った対岸に

トラントムーという地域があります。

ナントから20分間隔でナビバス(船)が出ています。
バス・トラムとチケットは共通。
トラントムーまで直通で6分。あっという間の船旅です。

ここは古くから漁師が住んでた村。

戦後になって寂れたところにアーティストが住みだして、
各自が家にオリジナリティあふれる改築を施した結果、
今では観光名所になっています。

村は散策するのにちょうどいいサイズ。

思わず足を止めて眺めたくなる素敵なお家&お庭ばかり。










どのお宅も個性的だけど、ちゃんと古い良い部分を生かしていて
村は不思議と調和が保たれています。

天気が良い日にまた来て、
今度はもうちょいましな写真を取りたいです・・・(汗。

さて、このトラントムーがあるルゼ市には、
もうひとつ観光名所があります。

近代建築の三大巨匠と呼ばれる ル・コルビュジェ設計の

ユニテ・ダビタション
(集合住宅)。

大学の「デザインと近代建築史」で習って、
しかも試験に出たのでよく覚えております。

建築史に残る傑作を見てみよう!と
寒い中、がんばって歩いて来てみたら。



え・・・?

ただの団地に見えるのは気のせいですか??

↓さびれてる・・・ペンキは塗り替えてないの??



理想の集合住宅を目指し、住民の利便性を追及。

1階部分は住民の憩いの場に・・・・なるはずが。




不良たちが溜まってシンナー吸ってそうな感じです。

コンクリートの湿った感じ、
窓から見える安っぽいカーテン、

ああ、なんだか80年代の日本の団地っぽいよなぁ。。。

それもそのはず、当時の日本の建築家の多くは
コルビュジェの影響を受けまくっているのです。

理想の社会、理想の生活を目指して作られた箱。

トラントムーの個性的で味わいのある家と比べて、

どっちに住みたいかと言うと・・・答えは出てる気がする。

建築家を目指してる人はぜひ両方訪れて、
そこんところよく考えて欲しいなぁと思いました(笑。

今回は上から目線で辛口な感想でした。ぺこり。