Merveille~フランスの風~

フランス風をぶいぶい吹かせてゆきます。

職業・芸術家の男たち

フィレンツェ、ローマで気になった『職業・芸術家の男』

フィリッポ・リッピ

この人の描く聖母マリアは、楚々として美しく
ヴェールから透けるうなじの辺りに上品な色気を感じます。

てゆーか、画家である前に修道士のフィリッポさん
この聖母のモデルをした修道女さんと恋に落ち
駆け落ちしちゃった(!!)という。

いや、わかります。ほんとに綺麗だもん、この女性。
フィリッポさんの描いた聖母の絵、みんなこの女性のお顔。
なんか、かってに「純愛・・・」ってトキメいてみた。

レオナルド・ダ・ヴィンチ

まあこの人に説明不要だけど、天才。
天才なんだけど、パトロンに恵まれなかったんだな、と感じました。
未完成の作品多いし、
ラファエロやミケランジェロみたいな大作がないのは、
資金力の問題で。

あと、この人は、絵の中に、その地方に実際に生えている植物を描いたり
人間の体を解剖学的に正確に描いたり、
非現実的になりがちな作風をリアルにしようと
必死だったんだろうな、想像力が豊か過ぎて。


ラファエロ

ウフィツィで見た彼の最晩年の作品。
法王の肖像画なんだけど、すごい綺麗だった。
本で見たときは「ラファエロは聖母とか天使とか描いてりゃいいのに
なんでこんなオジサンの肖像画を・・・」と残念な感じだったけど、
実物を見ると、やっぱ違う。
朱色、臙脂、ワインレッド、紅・・・・画面の8割が「赤」なのに
くどくない。引き込まれるような深い色使い。惚れた。

ヴァチカン美術館のラファエロの間では1時間近く、
口あけたまま、ぼーーーーっとしてました。
享年37歳。この人が後5年長生きしてたら。。。そう思った。

ミケランジェロ

フランス語だとミッシェル・アンジェ(かわいいよ・・・!)
子供向けの伝記だと「がめつい、性格の悪い人」って
書かれてしまう彼だけど、
すっごい仕事のできる男、プロフェッショナル!!って思った。

システィナ礼拝堂は、最初入った瞬間、
「きたねー壁紙だな」って思いました、ごめん、ミケ!!

ところがしばらくして目が慣れてくると、そこに描かれた人物が、
本物の人間にしか見えなくなってきて、
あれ?みんな、あれは絵じゃないよ?ほんとにあそこに、人がいるよ?
みたいな、「霊の見える人」状態になってました。あぶねー。。。

ミケランジェロの描く筋肉もりもりな肉体には、
「神の言葉は人間の肉体に宿る」という聖書の言葉が込められているという。

最後の審判の残虐極まりない描写に、
人類に希望はないのかという印象を受けるが、
あのたくましい肉体が、すなわち「人類の希望」を表している。
すごい、そんな神学的な意味があったんだ!!
ただのマッチョ好きなゲイだと思ってたよ、ごめん、ミケ!!

とにかくミケには謝りっぱなしのダリアでした。


カラヴァッジオ

この男とは、一度一緒にじっくり飲んでみたい、と思いました(笑)
こんな過激な絵をどんな男が描いたのか、マジで興味あり。

ゲームとか映画とかで、
子供に見せてはいけない『有害指定』ってありますよね?
カラヴァッジオの絵画は『有害絵画指定』したほうがいいと思う。

ローマの国立絵画館で見た『ユディト』
ユディトという女性が男の首を切っている瞬間なのですが、
彼女の忌々しげな表情、もう、かなり有害な感じ(笑)!!
人間の中の闇の部分、野蛮で残虐な部分を見せ付けるような。
私が当時の金持ちだったとしても、
絶対にこいつの絵を自宅に飾ろうとは思わない。あ、これ褒め言葉です。


あああ、あとボッティチェリ、ベルニーニ、フラ・アンジェリコ・・・。

才能あって仕事のできる男、かっこいい!!と思いました。
この人たちが活躍したイタリア、
タイムマシンがあったら行ってみたい時代ベスト3に入りました。