PACS(パックス)すればフランスに滞在できるのか?
前回に引き続き、 PACS(パックス)について。
ブノワは、付き合いだした当初から、
自発的に、外国人の滞在許可などについてネットで調べ、
滞在許可証のためにPACSしてもいいよと提案してくれてました。
彼は、ある日突然私が「日本に帰らなきゃならなくなった!!」
って言い出さないか不安だったようです。
むしろ私の方が、
自分の滞在許可証のためにPACS ”してもらう” って、
なんだか心理的に抵抗があり、及び腰でした。
そんな私が何故、今、このタイミングでPACSしたのか。
しなきゃ来年フランスに滞在できるか不安だったからです。
1年間有効で、フランスでの労働がOKのこのビザ、
基本的に期限が切れる時点で本国に帰国しなきゃいけません。
就労ビザに切り替えるには、
正社員(CDI)で、ディプロムと関係した分野で、
しかも最低賃金(SMIC)の1,5倍のお給料を保証される
そんなお仕事についてなきゃいけません。
で、最初は私も正社員→就労ビザを目指していたのですが、
半年ほど、卒論と平行して就職活動してみた結果、
あと一年でそれだけのお仕事に就ける可能性は残念ながら
きわめて低いな、という感触を得ました。
で、ようやくここで本題に入ります。
PACS(パックス)すればフランスに滞在できるのか?
しなきゃフランスに滞在できないのか?んなわきゃありません。
ぶっちゃけ、パックスや結婚しなくても、
旅行者として3ヶ月のビザなし滞在をくりかえしたり
どっかの語学学校にでも登録して学生ビザで滞在したり
滞在するだけなら他にも方法はあります。
問題は、配偶者ビザで滞在できるかどうか。
配偶者ビザ=フランス人と同じ条件で働けるビザ、です。
これを取得するためには、PACSだけでは足りません。
1年以上パートナーと共同生活を送っていること
が必要条件です。
現在のビザから配偶者ビザに切り替える際に、
過去12か月分の ”一緒に住んでいることを証明する書類”を
用意しなきゃいけないらしい。
たとえばEDF(電気代)の領収書は二人名義にしておく必要あり。
給与明細や銀行の明細の住所も、もし昔の住所のままなら
早めに住所変更して二人一緒にしておくべし。
PACSにサインした日付は関係ないそうです。
つまり、PACSしてまだ1年経ってなくても
一緒に住んでいる期間が1年以上ならOK。
PACSして1年以上経っていても、同居している証明がなければ
滞在許可が出ない危険性があるわけです。
これ、逆に、
「1年一緒に住んでないと外人はPACSできないんでしょ?」
って誤解してる友人(フランス滞在歴は私より長い)がいました。
いやいや、ブノワと付き合ってまだ1年たってないけど、できたから。
ほんと、PACSと滞在許可の関係については、
在フランス日本大使館のHPだってろくな情報載せてないし、
フランス人も、ユーロ圏以外の外人と付き合って
PACSすることにならなきゃこんな情報は必要ないわけで、
私自身、実際にやってみて知ったことが多いです。
いまのところ、おそらく、来年は配偶者ビザに切り替えて
フランスに滞在できる、はず、です。
>やってみなきゃ分からないのがフランスゆえ、
いつも以上に歯切れが悪いです(苦笑。
※この情報は2014年9月時点ナントでの一例です。
滞在許可証には2年以上の共同生活が必要、という地域も。
滞在許可証については地域の県庁に、
PACSについては裁判所にご確認ください。