中国人の悪口なんて言いたくないのに
私の上司は中国人。
社員4人の小さな会社で、私とこの中国人上司以外の2人はパリ勤務。
なのでふだんは職場には私と上司の2人だけ。
こんな状況なのに、この上司、とことん「連絡・報告・相談」って概念がすっぽ抜けてる人で、3週間中国に出張するのに私に事前に連絡がなかったりする。
正月明けも、職場に着いたら、あら、無人。
職場の私の受信トレイには「この資料を至急送れ」と上司からメールが。資料をメールするついでに「どこ行ってるんですか、いつ戻ってくるんですか、ご連絡お待ちしております」と一文添えたのに、返事なし。資料受け取った、のメールもなし。
「報告・連絡・相談」を略して「ほうれんそう」と言う社会常識のある日本から来た私は、そういうのに不信感とか不快感とか反感とかを募らせてしまうのです。
あと、つねに命令口調で感謝の言葉がない、前任者と私を比較してダメ出し、
自分の子供のベビーシッターしてほしいと要求する(断った)とか
枚挙に暇がないくらい愚痴りたいことはあるんですが、ここでこの記事のタイトルにあるように、「中国人の悪口が言いたいわけじゃないのに」というジレンマに引っかかるのです。
周りのフランス人に、「中国人の上司が嫌なやつで・・・」と語り始めると、ちょっとみんな好奇心で目が輝くというか、前のめりで私の愚痴を聞いてくれるんですよね。
そして私に全面的に同情してくれて、励ましてくれて、完全に私の味方になってくれる。それは嬉しいんですけどね。でも、必ず結論として
「それが中国人のやり方なんだよ」
みたいな人種差別的着地点で話が落ち着いちゃうんです。
わたしと友達になるようなフランス人はたいていリベラルなんだけど、それでもこの反応ってことは、中国人ってほんとに嫌われてるんだなぁとしみじみ実感すると同時に、なんか、モヤモヤする・・・・そのモヤモヤについてちょっと考えてみました。
私には留学時代に仲良くなった中国人の友達が何人かいます。
もちろん、ちょっと一緒に遊んだりしたけどそれっきりで友達にならずじまいだった中国人クラスメートもいます。日本人やフランス人と接するときと同じで、仲良くなるかならないかは個人の相性の問題です。
それに「中国人」って11億人もいるんだし、カテゴライズするのは無理があると思う。
じゃあグチなんてやめれば?と言われても、職場でたいていの時間を一人ぼっちか、この上司と2人で過ごしていて、孤立無援のこの状況、誰かに愚痴らなきゃやってられません。
つい、「中国人の上司が」って愚痴ってしまう。
そう言えば、みんなが私に全面的に同情してくれて、励ましてくれて、完全に私の味方になってくれると知っているから。
差別、煽ってるよ、私。
それが、このモヤモヤの正体と気づいて、軽く凹みました。
私、かっこ悪い。そもそも上司の愚痴とか言ってるのがかっこ悪い。
そんなわけで、この記事は反省文です。
前回の記事に続き、人種問題ネタ。
もっと面白おかしく書くこともできたんだけどね。
職場は中国、家に帰ったらアラブ!みたいな。
でも、なんかそれは、自分の中の何かが反発する。そんな内省モードなのです。