パスポートで目を白黒させた件
日本のパスポートとフランスのパスポートの違い。 まず、見た目が違う。
しかし、見た目だけでなく、中身も大きく違います。
パスポート番号や本人の写真がある「身分事項記載ページ」に、
身長と瞳の色の欄があるのです。
さて、この度、ブノワさん(30歳)がパスポートの更新をする際に発した質問に私は文字通り目を白黒させてしまいました。
「ねぇ、俺の瞳の色って、なにいろ?」
ここで少し説明をしておきますと、ブノワが特別に際立ってアホなわけでありません。 フランス人の多くが「光の加減で青にも灰色にも見える」など、瞳の色についてあやふやなのです。
実際、フランス人の友人がカナダ渡航の際、パスポート申請で「瞳の色を緑って記入したけど証明写真では茶色にしか写らなくってパスポートがおりないかも」と困っていました。
じゃあ、茶色って書いて申請すればいいんだけど、どうやらフランス人って緑の目のほうが茶色より良い、って謎のヒエラルキーがあるみたいです(苦笑)。
それで生まれてからずっと親に「あなたの目は緑色、すてきー」って言われて育つと、今さら茶色には落としたくない、みたいな。
日本人にはさっぱり理解できないこだわりがあるようです。
また、こだわりだけでなく、
「子供のころは青い目だったけど今は茶色っぽくなった」といった、
成長とともに色が変わる(おもに茶・黒に近づく)傾向があるみたい。
髪の色も同じ。
ブノワも、小さい頃はもっと明るい髪の色で、瞳もちゃんと緑に写真に写っている。でも、現時点では室内ではどう見ても瞳の色は茶色、屋外でよっぽど日当たりがよければ緑に見えないこともない・・・。
ブノワは瞳の色にこだわりは無いのですが、問題は、前のパスポートが「瞳の色は緑」なのに茶色に変えることができるのか?
「市役所のひとに聞いたらいいじゃん」
と至極全うな提案をしてブノワを市役所に送り出しました。
すると市役所が出した回答は・・・
「じゃあ、マロン=ヴェルト(ちゃいろみどり)にしましょっか」
な、なんと。
間を取りよった。
予想外の着地点です。 またも、ダリアは目が白黒です。
つーか、こんな国では「俺の目が黒いうちは…」みたいな表現は無いわなぁ。