安藤忠雄の講演会@グランフロント大阪
2017年12月22日
梅田のグランフロント大阪にて開催された建築家・安藤忠雄の講演会に行ってきました。
世界的な建築家なのにしゃべりは大阪のオッサンです、安藤忠雄。
笑いの絶えない1時間の講演会でした。
でも、笑いがありつつも、なんなんでしょう、緊張感があるんです。
迫力、カリスマ、エネルギー。
ものすごくミーハーですが、やはり「本人に会う」「空間を共有する」って一番手っ取り早く本質に触れられる(こともある)と思うのです。
行ってよかった。楽しかった。
コスパ良すぎな展覧会カタログのこと
東京の国立新美術館で開催されていた『安藤忠雄展-挑戦-』のカタログがこの講演会会場でも販売されていました。
な、なんと一冊ずつに手書きイラスト付き。
さらにその上に講演会のあとサインを入れてもらえて、お値段1980円!!
普通に本屋で4000円で売ってそうな、装丁も中身も豪華な本です。
置いてあるだけでお部屋のグレード上がる感じ。
このカタログについて、安藤氏によると、
某大手印刷所に見積もり依頼すると原価2000円になるといわれ、
そうなると販売価格は3000円以上になる、いやだ、ということで
近所のヒマそうでふだんは居眠りしてるような社員4人の印刷所にお願いして
一冊710円で刷ってもらったという。。。
「展覧会に30万人来るなら10人にひとりは買ってもらわなきゃいけない」
その3万部すべてに手描きイラストをつける。
しかも、イラストは全部で3種類ある。
「日本人は1冊しか買わないけど、外国のお客さんは3冊、全種類買う。
これ、4種類にしたらだめなんです。重たすぎるでしょ」
このサービス精神、ビジネス感覚。
「この本でもうけたお金で、またなにかプロジェクトを始める。
こうして仕事を自分で作っていくんです」
講演会の中で、お金の話をあけすけにされたけど、ちっとも下品じゃなくて、それは常にお金を動かして社会に還元させているからだと思った。
お金も人脈も、自慢するためではなく、前に進む動力にしている。
その姿勢、潔さが、この人の魅力なんだろうな、と思いました。
勇気・自由・精神力
安藤氏は、ご自分でも「ボクは極端だから、嫌いな人もいっぱいおると思います」っておっしゃっていたし、わたしも100%肯定かというとそうでもないんですが、講演会では心に響く言葉をいくつも聞けました。
「勇気・自由・精神力。この3つがないと人生終わります」
よかった。私、それはわりとある。
「知的体力、これが大切です」
あ、それは私、鍛えたい部分。了解。
年の瀬に、力強い言葉が聞けて、気持ちが奮い立ちました。
2018年は知的体力をますます鍛えよう
2017年は、なぜか安藤忠雄に惹かれる年でした。
まず、図書館でなんとなくこんな本を借りてみたり。
この本は写真が素晴らしくって、どうしよう買おうかなと迷う。
が、展示会カタログにこの本の写真が大量に流用されていたから、結果的に買わなくて良かった(笑。
秋には大山崎山荘へ行って「地中の宝石箱」の静謐なたたずまいに痺れました。
そういえば私はこの人のコンクリ打ちっぱなしがあんまり好きじゃなかったのに、いつのまにか美しいと思うようになっている。直島の地中美術館も好きだし。
高い山を東から西から、海から別の山から仰ぎ見て。
ふもとまで来たら「めっちゃ高いな、この山」と改めて気付く、そんな感じで。
本を読む。その場に行ってみる。会いたい人に会う。
こうして行動し続けて、アンテナを広げて、精度を上げていく。
『知的体力』ってそういう一連の動きに必要なんじゃないかなぁと。
すると今までアンテナに引っかかっていたものが、ひとつに集約されるというか、
雑音から、すっと澄んだ音に変わるような、
点と点が線になるような。
そういう瞬間、私は一番充実している気がします。
2018年も好奇心の赴くまま、知的体力を鍛えていこう。
そんな年の瀬でございます。
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