北斎-富士を超えて-@ハルカス美術館
ハルカス美術館で、『北斎-富士を超えて-』を見てきました。
《富嶽三十六景 神奈川沖浪裏》葛飾北斎 大判錦絵 天保1~4年(1830~33)頃 大英博物館蔵
平日夜でもこの人込み・・・
日本に帰国してから、こういう特別展に行くのは初めて。金曜の会社帰り、6時に入場したんですが、結論から言うと
全部見るには時間が足りなかった(激痛)。
正直、なめてました。
場所は阿倍野(大阪の南のはずれ)だし、平日の夜だし、公式HPには
火曜日から金曜日は午後8時まで開館(入館は7時半まで)しております。夕方以降は比較的ゆったりとご鑑賞いただくことができます。
って書いてあったし。
たしかに入場制限はされていなかったけど、けっこうな人出で、わたし3回も係員さんに「立ち止まらないでください」って注意されました。
たいへん丁寧な注意の仕方なのでおとなしく従ったけど、えっと、北斎の絵(特に版画)はせいぜいA4くらいの小品で、しかもめちゃくちゃ細密な描きこみで、これを動きながら鑑賞するってドカベン並みの動体視力が必要な気がするんですが。。。
しかもハルカス美術館は行くのが初めてで、デパートの中にある美術館だからそんなに広くない、すぐ見終わるだろうと・・・ああ・・・
結論:時間には余裕を持って行ってください。
北斎、というか画狂老人卍(まんじ)展だった
北斎さんは長生きで90歳で永眠されてまして、亡くなる直前まで創作活動されています。この展覧会は、晩年30年(つまり60歳以降)の作品が主で、特に75歳で「画狂老人卍」と改名してからの肉筆画が見所。
つーか、「画狂老人卍」て。
しりあがり寿や王 欣太(キングゴンタ)に匹敵、いやむしろそれを凌駕するネーミングセンス。
そして作品はまさにドローイング・スーパー・クレイジー・おじいちゃん。
私が一番好きなのが、この「雪中虎図」。
北斎の絶筆と言われているこの作品、個人蔵だから次はいつ見られるか分からない。係員になんと言われようともじっくり鑑賞するぞと思いつつ、小心者だから「至近距離→近距離→遠巻きに眺める」「左から右、右から左、もう一度左から右」と小刻みに移動しながら熟視。
もうこれ、いっそ私が個人蔵したいくらい好き。
この虎、心が躍ってる。
実物は雪の舞い方が幻想的で、「雪の中に虎の幻を見たけどすぐに消えてしまったから記憶を頼りに描いてみた」感じなのです。
もうひとつの見所は、娘・お栄(応為)
この展覧会のもうひとつの見所に、「美人画では敵わない」と北斎に言わしめた娘・お栄(応為)の作品があります。
北斎も美人画を描いていて、この展覧会でも見ることができるのですが、正直、そんなに・・・。竜や鍾馗(しょうき・魔よけの神)と比べて、あまり魅力を感じないのです。
お栄(応為)の美人画は、人物の存在感が際立っています。
父・北斎をサポートしたお栄さんの作品、じっくり見てほしいです、が、展覧会の順路的に中だるみと言うか、あんまり熱心に眺めている人がいなかったのが残念でした。
結論:あえて言う必要ないけど北斎は神絵師
北斎の絵を見ていて、二十歳の時にパリのピカソ美術館に行ったときのことを思い出しました。
長命で、エネルギーにあふれ、創作するために生まれたような。
神からギフトを授かった天才。
本物を見ると、圧倒されます。
『北斎-富士を超えて-』見る価値、あります!!
詳しくは公式HPで↓↓
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