悲しき牡蠣の夕べ
仕事が終わってから、テラスで生牡蠣。
おいおい自慢かよーって言われちゃいそうですが、
残念ながら、ちがいます。
お待たせしました。
オチがつきました。
昨日、マダム・マノリの愛猫、モローがこの世を去りました。
私がここに来る前から、すでにモローは弱っていて
マダムは常に心を痛めていらっしゃった。
しかしまさか、こんなに早く・・・。
マダム、60代後半、ちなみに見た目は70代後半、
10年前に旦那さんを亡くして一人住まい。
こういう人がペット亡くすって・・・気の毒すぎます。
「今日は友達の家に招かれてたけど、断ったわ。
ダリア、もしよかったら牡蠣があるから
今日は一緒に夕食しましょうか?」
カンカル産の牡蠣に惹かれただけではないですよ。
マダムがあまりにも痛々しくて断れなかったのですよ。
「ところで
あなた、牡蠣の開け方は知ってる?」
って、開けるの私の仕事かいな?!ェエェェエΣ(´д`ノ)ノェェ
そんなわけで、生まれてはじめて、
牡蠣の貝をこじ開けさせてもらいました。
「え~そんなの無理ぃ~」って言えればいいのになぁ。
・・・慣れたらサクサク開けれるようになり、
またイカツさが増した気がします、私。
白ワインと生牡蠣、そしてマダムが泣く。
あああモロー、どうして逝ってしまったんだ、
つーかマダム、同情するけど、頼むから泣かないでーー
完全に傷心のマダム、
「実は今月末、友達に旅行に誘われていた。
病気の猫が居るからと断ったけど、もう猫は居ない。
だからやっぱり旅行に行くことにしたわ。
だって、このままだと、私は病気になってしまう。
気持ちを切り替える必要があるの、分かるでしょう?」
はぁ。
「あと、7月にも1週間くらい、スウェーデンに帰ろうと思う」
(あ、マダムはスウェーデン人です)
えっと・・・・・
マダムが留守のあいだ、美術館は・・・
「あなたが居るから、安心だわ。
責任ある仕事をするのもいい経験になるわよ?」
・・・!! わたしかよ?!Σ(´ω`*)
無茶ぶりもいいところ、ですが
こんな弱ってるお年寄りに頼まれて嫌とは言えず。
はい、今回も、見事にオチがつきました。
なにゆえ、研修生の私が、1週間以上
美術館を一人で管理せにゃならんのか。
私、普通に働きたいだけなのに、
なぜいつも渦中の人になっちゃうんでしょう・・・
生牡蠣が染みるほど美味しかった、
でもちょっと塩辛く感じたのは気のせいでしょうか・・・